プレスリリース

2017.06.20 更新

【ニュース】医療用HAL®、米国FDAに対して革新的なサイバニクス治療のための医療機器として市販承認申請書類を提出

当社は、2017年6月19日(米国時間)に、米国食品医薬品局(FDA)に対して、医療用HAL®の市販承認申請書類を510(k)プロセス(クラスⅡ)(※1)︎に従って提出しました。
 当社は、米国における医療機器承認取得後の事業展開を見据え、510(k)プロセス(クラスⅡ)による初回申請(米国時間2015年6月22日提出)時以来、医療用HAL®が、1)患者の歩行を補助する装具や繰り返し動作を患者に行わせるロボットではないこと、2)患者自身の機能改善・機能再生を目的とした革新的なサイバニクス治療(※2)のための医療機器であることについて、FDAの理解を深めるために、使用目的並びに技術的特徴や医学的治療効果を踏まえ、説明を継続してまいりました。2016年11月4日(米国時間)にPre-Submission(※3)︎を提出し、FDAと正式な協議を重ねてきた結果、この度の再申請に至りました。

補足説明
1. 510(k)プロセス(クラスⅡ)による初回申請との違いについて
・申請対象とする製品は同一ですが、FDAとのこれまでの協議の結果を踏まえ、FDAのレギュレーションに沿いつつ、医療用HAL®が革新的なサイバニクス治療のための医療機器であることを識別可能にするため、申請内容を再構成しております。最終的な内容は、FDAの審査を経て、承認を得た段階で公表されます。

2. 申請から承認に至るまでの所要期間について
・FDAの510(k)申請のガイダンス規定では、FDAの審査期間は90日と定められていますが、審査の過程でFDAから追加質問等が生じた際、90日を超える場合があります。当社としては、審査が円滑に進むよう、当社米国法人との共同体制により、推進しております。

3. 医療用HAL®の評価について
・医療用HAL®は、2013年に脳・神経・筋系疾患患者の治療を行う世界初のロボット治療機器として、欧州の医療機器認証(Notified Bodyによる医療機器指令への適合;医療機器CEマーキング認証)を受けました。ドイツでは、医療用HAL®による脊髄損傷等の患者を対象とする治療に対して、その費用全額が公的労災保険の適用となっています。この学術的裏付けとして、2017年5月には、受傷後1年以上経過した慢性期の脊髄損傷患者55名に対して医療用HAL®による治療を行なった結果、治療開始前との比較において統計的に有意な治療効果が認められた(10m歩行テスト、6分間歩行テスト)との学術論文が発表されています*1。日本では、緩徐進行性の神経筋難病疾患患者に対する医療用HAL®による医師主導治験が行われ、機能改善効果が認められた結果、2016年9月から公的医療保険による保険診療(併用されるリハビリテーションとは区別される治療処置による診療)が開始されています。また、脳卒中患者に対しても、これまでの臨床研究において、従来治療の歩行能力改善を上回る効果を期待させる結果が得られたことを踏まえ、2016年9月より医師主導治験が実施されています*2。

*1 ”Against the odds: what to expect in rehabilitation of chronic spinal cord injury with a neurologically controlled Hybrid Assistive Limb exoskeleton. A subgroup analysis of 55 patients according to age and lesion level” JNS – Neurosurgical Focus (2017)
*2 https://www.cyberdyne.jp/company/PressReleases_detail.html?id=4866

用語説明
(※1)510(k)について:クラスIならびに一部のクラスⅡの医療機器について米国市販承認を求めるプロセスです。このプロセスは、申請者が、米国での市販品と同等もしくは同等以上の安全性と有効性(safety and effectiveness)を有することを示すことで、FDAによる審査を経て承認が与えられます。医療用HAL®固有の使用目的並びに技術的特徴や医学的治療効果など、比較対象となる市販品とは異なる箇所に関しても、当該プロセスにおいて併せて審査されることになります。

(※2)︎サイバニクス治療について
 サイバニクス治療は、サイバニクス技術を駆使して研究開発された医療用HAL®等により実現される「機能再生医療」であり、脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進する革新的治療技術です*3。HAL®は人の脳神経系からの運動意思情報で動作し、筋紡錘などの感覚神経を賦活化させることで脳神経系と筋骨格系の間での神経情報伝達ループを構成し、インタラクティブなバイオフィードバックを成立させます。これにより、機能障害を有し運動に必要な筋力の発揮が難しい患者であっても、脳・神経・筋系に過剰な負担をかけることなく脳からの運動意思と同期した実際の運動を何度も繰り返し実現させることができるため、機能改善・機能再生の促進が可能となります。患者の神経情報や運動情報等に関するHAL®の各種パラメータの調整機能によって、医師は患者の脳神経系と筋骨格系の神経情報伝達ループを適切に回すことができるよう治療的に介入することができるようになります。
 HAL®による治療は、日本において薬事承認され診療報酬上の新しい治療技術として保険収載されており、併用される各種リハビリテーションとは区別される「治療処置」となります。

*3 サイバニクス治療は、医療用HAL®に限らずサイバニクス技術を駆使した様々な形態のメディカルサイバニックシステム(サイバニックインタフェース/サイバニックデバイス等)によっても実施可能です。

(※3)︎ Pre-submissionについて
 申請者からFDAに対して書面もしくは対面会議や電話会議の議事録という形でのフィードバックを求める正式な要望書です。申請者が、具体的な質問に対するFDA見解を必要とする場合に実施することが推奨されている手続きです。

ページ上部へ戻る